はじめに
東京は日本の政治・経済・行政の各部署が集中していますのでひとたび大きな地震が起きると首都機能がマヒしてしまいます。そこに首都直下地震などが起こってしまうと首都機能のマヒが日本だけでなく世界にも影響が出ます。
政府自体が地震で影響を受けてしまうと情報の収集や分析などが十分に行えなくなります。そこから災害対策の指令が大幅に制限されてしまい情報の伝達が国民に伝わらないなどの事態が起こり得ます。また政府の災害対策本部からの指示が現場に届かなくなって人命救助などの面で大きな影響を受けることが予想されます。また避難者の数も膨大になることで居住者の生活にも支障の出る可能性が高まります。
経済面では株式や債券などの取引を行う金融機関がダメージを受けることで国内および海外の取引に大きな影響が出そうです。またサービスや物流の拠点にもなることや大手企業の本社さらに数多くの中小零細企業も存在することから計り知れない経済的なダメージを受ける可能性が考えられます。
首都地域にも今後数十年という短期間に巨大地震の来る可能性は極めて高くなっています。そうなると政府だけでなく企業や個人単位で自分の身は自分で守るという対策を取っていく必要があります。
政治機能
政府機関のある霞が関や永田町は比較的地盤の強いところに建設されていますので耐震対策は比較的進んでいます。建物の倒壊などのリスクはかなり回避できそうです。ただ設備や配管の損傷や工作物の機能不全さらにデータの復旧が困難になるなどのトラブルが予想されます。
また通信機能のマヒによって停電や交通渋滞などのトラブルが起きやすくなります。これらの復旧作業にはかなりの長時間を要する可能性が高まっています。さらに夜間に地震が起こることで対応する人員んが少なくなることで被害やトラブルの大きくなる可能性があります。また冬季などに自信が起こると電力面の供給などが間に合わずに体力の少ない方の生命が危ぶまれる可能性が懸念されます。
経済の中枢機能
経済は日本橋や茅場町にある金融街がダメージを受ける可能性が高いです。システムの停止などで資金決済や証券決済に影響が出ることで投資家の財産を守れなくなる可能性もありそうです。遠隔地でのバックアップ体制を整えることで地震後24時間以内にシステムを復旧させることを目指していきます。また証券保管振替機構などのデータセンターは2時間以内で復旧させることも可能になってきています。
ただ証券取引の部門では大規模地震の発生で被害の拡大も予想されます。情報の整理や投資機会の平等なども含めて証券市場がしばらくの間ストップする可能性も十分に考えられます。またインターネットなどの情報で海外からの風評被害を受ける可能性も示唆されています。
企業活動
企業では首都地域の工場・倉庫・店舗・取引先・消費者などに影響が及びそうです。企業のリスクマネジメントや取引先の対応にも課題が残りそうです。特に大手企業や準大手企業はこの対応で信用性を図られますのでしっかりとしたマニュアルを用意しておくことをお勧めします。
それでも首都圏地域の多くの企業は停電が長くなっても非常用電源の確保やパソコンデータのバックアップ設備などもそろっています。ただ被害が長期に及んでしまうとデータが喪失するなどの被害が出そうです。また首都圏のビルなどは夜間は立ち入り禁止になっているところも多くそのような時に大地震が起こった時にどうするかの対応は必要になります。
首都圏はサービス業も多く卸売・小売業などで商品の流通が不可能になることも予想されますので消費者の食料などの確保に影響が出そうです。人数が半端なくいますので物流面やサービス面での大きな低下が予想されます。さらに長期化すると多くの影響が出そうです。
大規模な工場や石油化学コンビナートなどのある施設では被災によって火災などの甚大な災害の出る可能性が予想されます。サプライチェーンの寸断で海運や貿易面での障害の起こる可能性が高まっています。海外との取引や信用にも少なからずの問題が出そうです。
道路交通のマヒ
大地震でがれきや障害物などで道路状況の悪化が予想されます。そこに火災の延焼・多数の放置車両・ごった返すほどの人がいるものと思われます。車や人が前に進まないなどの事態も想定されます。そこに建物などのがれきや火災で逃げ道を失う可能性も考えられます。また裏道などにも多くの人が行くものと思われます。交通整理の機能しない場所も多数出るものと思われます。
膨大な数の避難者
山手通りから環状8号に囲まれた地域は木造家屋も多く大規模な火災が起こる可能性も予想されています。火事が起こると一気に延焼する可能性もありますので被害が大きくなる可能性もあります。特に風が強い日だと風下に向かって炎と煙が進みますのでその方向にいる方に大きな被害の出る可能性も考えられます。
また現場が混乱することも予想されますので救急車が現地に向かえない可能性も高いです。医療スタッフや薬の備蓄も少なくなるものと思われますので既往症などをもっている方の健康面も心配されます。ヘリポートの移送も限界がありますので多くの方の人命が失われる可能性が高まっています。
また避難場所を確保できない方が増えそうです。首都圏地域は人口が多いので市役所やコミュニティセンターさらに学校などの公共機関だけでは多くの人を収容できません。自宅が被災してしまうと休息場を失う方が多数出てくるものと思われます。
物資不足の問題
地震の影響でコンビニやスーパーなどの店舗には長期間商品が入らない可能性も指摘されます。道路自体の寸断も相当の場所で起こりそうですので商品の搬入はかなりの困難さを極めそうです。普段からの商品の備蓄を行っておくことが重要になります。また商品欲しさの買い物戦争などが起こる可能性も考えられます。住民同士もしくは住民と店員との間で大きなトラブルの起こる可能性も考えられます。
震度6強以上の地震で火力発電や水力発電の施設に大きな影響が出ることが予想されます。電気・ガス・水道などのライフラインに大きな影響の出る可能性が高いです。一応の非常用発電も用意はされていますがそれをはるかに超えるダメージになりそうですのであまり意味をなさないのではないかと思われます。
情報の混乱
通信面では携帯電話や固定電話の通信が一時的もしくは数日間程度途絶される可能性が予想されます。政府などからの情報が届かなかったりデマなどの偽の情報が流れたりすることで現場が混乱することが予想されます。正確な情報を取ることが難しくなる可能性が高いです。
またインターネットの普及にも時間がかかりそうですので個々人が的確に情報を収集できる可能性が狭まります。またライフラインの復旧には早くても1日程度・遅いと1か月程度かかりそうですので市民の生活に大きな影響の出る可能性が高まります。
外国語の情報手段が少なくなることから日本語力の弱い外国人が的確な情報をつかめずに右往左往する可能性も指摘されています。また焦りや不安などから他人をより不安に陥れる方も出てきそうです。
復旧作業
人の多さで道路復旧に時間がかかるかもしれません。東日本大震災の東北3県の時よりも復旧に時間のかかる地域が多数出そうです。住宅の倒壊や火災などで災害廃棄物が山のように出る可能性が高くなります。その廃棄物が避難する人の足を引っ張る可能性も予想されています。復旧のための土地と時間は相当かかるのではないかという試算もあります。
まとめ
大地震で国の中枢の政治・経済・行政の指揮系統に多くの障害が出る。
物流・サービス・小売・製造などの分野で長期間の営業停止で経済活動に影響が出る。
とてつもない人で医療サービスに大きな支障が出て多くの人命が失が失われる可能性が高い。
道路の寸断やライフラインの機能が止まることで住民の生活に多大な影響が出る。
公共機関の途絶で仕事や移動などの面で大きな制限を受ける。
インターネットや携帯電話などの通信手段のマヒで情報の収集が困難になる。
参考資料
首都直下地震の被害想定と対策について:file:///C:/Users/user/Downloads/Document-8%20(2).pdf